21世紀枠とは?
「21世紀枠」とは何か
松山東高が選出条件となるであろう内容
・82年ぶりの甲子園。
・夏・秋 共に県大会準優勝。
・63年ぶり四国大会出場。
・旧制中学の公立進学校(旧松山中学)
・困難な練習環境(グランドがサッカー部 ラグビー部他と共用のため 内野までしかない)
・俳人でOBの正岡子規が野球を教えた愛媛尋常中(松山中の前身)の生徒が、松山東野球部の創設者。
・OBの数が多く、著名人も多いため、かなりの集客が見込まれる。
・SGH(スパーグローバルスクール)認定
四国地区選出 理由
四国地区:松山東(愛媛・県立)
・高校別データ:松山東
・学校創立:1878年 生徒数:1072人(男子545,女子527)
・野球部創部:1892年 部員数:31人(女子マネージャー3名を除く)
・甲子園出場回数:春1回(1933年 10回大会) 夏2回(1933年 19回大会、1950年 32回大会)
・秋季愛媛大会準優勝、四国大会1回戦
【推薦理由】
松山東の100周年 記念碑
藩校・明教館の流れを汲み、旧制松山中学以来の伝統を持つ県内最古の高等学校。
初代校長は草間時福で、同校の校風に多大な影響を与えている。愛媛県尋常中学校時代に夏目漱石が1年間教鞭をとっており、
この体験を元にして小説『坊っちゃん』が著された。卒業生には著名人が多数。哲学者・教育者で文部大臣も務めた安倍能成氏、
ノーベル文学賞受賞者の大江健三郎氏など、政治家、実業家、医師、俳人、 作家、アナウンサーなど枚挙にいとまがないほど
あらゆる方面に活躍する人材を輩出している。敷村良子著の 『がんばっていきまっしょい』は、松山東を舞台にしており、
作品に呼応するように、ボート部女子が本年度の朝日レガッタで全国優勝を果たした。
創立136年を迎えた現在は、各学年普通科9クラスに1072名の生徒が学んでいる。
「自律・協同・創造」の校訓の下、学業と部活動の両立に励んでいる。卒業後の進路状況も良好であり、
難関国公私立大学へ多数の卒業生を送り出している。本年は既卒者も含め275名が国公立大学に合格し、
野球部からも1年浪人して2名が東京大学に合格した。部活動にも熱心に取り組む生徒が多く、
陸上部、ボート部、美術部、俳句部、演劇部、放送部、囲碁将棋部が全国大会へ出場。
また、ハンドボール部、サッカー部、登山部、水泳部、かるた部は四国大会へと進出するなど、運動部、 文化部ともに活躍している。
本年度からは、文部科学省によるスーパーグローバルハイスクール指定校となり、世界に羽ばたく人材育成を担うこととなった。
硬式野球部の設立は1892年(明治25年)と愛媛県内最古であり、
2002年(平成14年)に野球殿堂入りした正岡子規が創部に関わったとされる。
当時を再現した「の・ぼーる野球」をOB会を中心に現在でも年1回実施している。
松山商との統合時代だった1950年(昭和25年)には、夏の選手権大会で優勝を果たしている。
戦前の松山中学時代の野球部は、 愛媛県では松山商に次いで強かったとされ、1933年に春の選抜と夏の選手権に出場を果たした。
学校の完全下校時間が夏季19時10分、冬季18時40分と定められており、短い練習時間と、狭いグラウンド環境の中で
いかに試合に勝ち、大会での成果を上げるかを模索し、「質の高い練習」を心がけている。
効率良く打撃や守備をこなせるメニューの工夫、班編成によりさまざまな補強を同時進行で行う。
またメニュー間の入れ替わりを素早くするなど、「短時間集中型」の練習をコツコツと継続している。
選手の意識も高く、朝始業前に30分でも練習する、
家でもバットを振る、トレーニングをするといった個人の自主練習も積極的に行っている。その成果が表れたのが今年夏の愛媛大会で、
実に63年ぶりに決勝戦まで勝ち進んだ。さらに秋の県大会では夏の決勝(試合レポート)で敗れた小松にも勝利して、
2季連続で愛媛県準優勝という成果を収め、63年ぶりとなる四国大会に出場した。
冬場は愛媛マラソンにおけるボランティア活動などにも積極的に参加し、地域貢献にも務めている。
校内では複数の部員が各種委員会活動で活躍。学校行事などにも積極的に取り組んで、 リーダーシップを発揮している。
その活躍が学校全体に元気を与えている。中学時代に輝かしい実績を残した生徒が入学しているわけではなく、
普通の高校生と同じように学業との両立を図りながら、 毎日熱心に練習に取り組んでおり、
そのような部員の姿は誰からも好感を持たれている。
この度の野球部の活躍に、PTAや同窓会、地域の方々からも甲子園出場に対する期待感がますます高まっている。
【地区選考状況】
例年通り、最初に各県理事長によるプレゼンテーションによって推薦理由が述べられ選考に入った。
選抜大会主催の毎日新聞社からの通達文や選考基準を確認し、各県からの資料を参考に慎重に審議を進めていった。
その結果、中村(高知)が県ベスト16、土庄(香川)が県ベスト8だったため、チーム力がやや劣るということで、
県ベスト4の海部(徳島)(野球部訪問:第135回 県立海部高等学校)と県準優勝の松山東(愛媛)に 絞って選考することになった。
海部は県の最南端の位置し、大会会場まで最も遠距離にあるという困難な立地条件のもと、
今秋は四国大会に出場した鳴門に9回までリードを奪っていたほか、2年連続で秋季県大会ベスト4に進出するなど、
松山東のチーム力に遜色はないということで、激論となった。
最終的には、推薦校の中で唯一四国大会に出場していること、文武両道で練習時間と活動場所に大きな制約がある中、
今夏の選手権愛媛大会で63年ぶりの決勝進出を果たし、今秋の県大会と合わせて 2季連続で愛媛の準優勝に輝いて
63年ぶりに四国大会に出場を果たしたこと。さらに21世紀枠の選考にとって重要な要素の一つがタイミングであり、
歴史と伝統を兼ね備えた松山東の活躍がまさのそのタイミングであることが大いに評価され、
四国地区の推薦校として出席者の満場一致で松山東が決定した。
1月23日 春のセンバツ選出会議
2015年 選考委員
奥島孝康(高野連会長)
河野俊史(毎日新聞大阪本社代表)
村上和弘(高野連副会長・毎日新聞出身)
越智隆弘(高野連副会長・医師)
高橋順二(高野連副会長・元朝日新聞名古屋本社代表)
西岡宏堂(高野連理事・膳所高元監督、校長、元滋賀高野連理事長)
小菅洋人(毎日新聞)
井上康雄(毎日新聞)
渋谷卓司(毎日新聞)
松本泉(毎日新聞)
佐山和夫(高野連顧問・ノンフィクションライター)
浅井愼平(写真家)
あさのあつこ(作家)
ヨーコ・ゼッターランド(嘉悦大准教授)
選出理由
■ 松山東
西日本の選考は4校のうち比較的評価が高かった3校を中心に審議が進められ、最終的に松山東が選出された。
松山東は「野球」(の・ぼーる)の雅号を使った正岡子規が1892年の創部にかかわったとされる伝統校。学業との両立に励み、質の高い練習で2014年夏の愛媛大会は準優勝。秋も準優勝して63年ぶりに四国大会に出場した。野球部以外も文化系を含めた数多くの部が全国大会に出場している。特別選考委員会では「野球の歴史を長年継承している点が評価できる」「県内で私立の壁が厚い中で長年練習を工夫し、夏秋連続の県大会準優勝につなげた」などの意見が出た。
※プレゼンテーションをした愛媛県高校野球連盟の二神弘明理事長が披露したのは、「東高、がんばっていきまっしょい」の掛け声。この言葉は気合入れの掛け声で、学校に一体感を作るべく体育や行事の時に使われている。さらに「今大会の21世紀枠の選考において、これほどのタイミングと話題性を兼ね備えた学校はないと考えています」と特別選考委員に強く訴えたのが実った。